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多発性硬化症と医療大麻の関係性【過去の事例はあるの?】

多発性硬化症と医療大麻の関係性【過去の事例はあるの?】

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多発性硬化症の標準治療

多発性硬化症は 脳や脊髄など中枢神経や視神経に炎症が起ることで神経組織が障害される病気です。原因としては免疫系統の暴走があり、自己免疫疾患と考えられています。

中枢神経を病理解剖で調べてみると様々な場所で硬くなっている部分が見られるために多発性硬化症と呼ばれるようになりました。

神経が炎症によって障害されるために視力障害や運動麻痺、感覚障害、排尿・排便障害などの様々な症状を起こします。筋肉の硬直による痛みも伴うために不眠も起こしてしまうので患者にとっては辛いものとなります。完治する病気ではなく再発と、症状がなく落ち着いている状態である寛解状態を繰り返す病気です。

日本で行われている標準治療としては症状が急に悪化してきたときに行う急性機治療と、症状が落ち着いている状態でおこなわれる再発予防治療が存在しています。

急性期治療はステロイドを3〜5日間大量に点滴するステロイド・パルス療法というものが行われます。ステロイドは炎症を抑える効果が強く、免疫抑制作用もあるため神経の炎症が原因であり、自己免疫疾患でもある多発性硬化症にも使われます。ステロイド・パルス療法でも改善が見られない場合には血液浄化療法が採用されることもあります。血液浄化療法は血液を体外に取り出してから炎症の原因物質を取り除いて体内に戻す治療法になります。

急性期が過ぎて症状が落ち着いてきてからは再発予防のための治療が行われます。

再発予防治療薬として使用される薬剤には注射薬と内服薬があります。

  • インターフェロンβ
  • フィンゴリモド
  • フマル酸ジメチル
  • グランチラマー酢酸塩
  • ナタリズマブ

最初に再発予防の薬剤として選択肢に上がるのが注射剤であるインターフェロンβとグランチラマー酢酸塩になります。これらの二つの薬剤は再発を30%程度減らす効果があります。20年以上使用しても重篤な副作用が稀で、グランチラマー酢酸塩については他の治療薬に比べて妊婦への安全性が高いことが特徴です。

フィンゴリモド、フマル酸ジメチルは両方とも飲み薬で再発率を50%も低下させると言われていますが、免疫機能で重要な役割を果たすリンパ球数が減少する副作用が存在しているため定期的な血液検査が必要となる薬剤になります。

ナタリズマブは再発を70%も低下させるという高い効果を発揮しますが、長期間の使用によりPML(進行性多巣性白質脳症)やヘルペス脳症などの重篤な副作用が存在するため使用には十分な検討が必要な薬剤になります。

多発性硬化症と医療大麻の関係性

医療用大麻は日本では所持、使用ともに大麻取締法により違法とされていますが、世界では医療用大麻を解禁する国も増えてきています。

医療用大麻には慢性疼痛、がんの化学療法による吐き気や嘔吐、睡眠障害、てんかんやパーキンソン病にも効果があると言われていますが、多発性硬化症による運動機能障害(手足の突っ張り)やけいれん、痛みなどにも効果があると言われています。

Journal of Neuroimmune Pharmacologyに掲載された海外の研究によると大麻化合物に含まれているΔ9-テトラヒドロカンナビノールが多発性硬化症による神経伝達異常を抑制し、筋肉の硬直による手足の突っ張りなどの症状が軽減されると発表されました。

その他にも睡眠の質が向上するとも報告されているため、多発性硬化症による痛みの伴う筋肉の硬直や睡眠障害など様々な症状に効果が期待されています。

医療用大麻には神経保護作用があるとも言われていますが、未だ研究途上にあります。神経保護作用が認められた場合には、てんかんやパーキンソン病などの中枢神経の病変が原因の疾患の新たな選択肢として世界での医療用大麻の普及に影響を与えるものとなるでしょう。

多発性硬化症に医療大麻を使って治療した事例

多発性硬化症では2/3の患者に筋肉の硬直やけいれんが見られるため筋弛緩薬が使われることがありますが、海外では多発性硬化症のけいれんに対して医療用大麻が実際に使われています。

イギリスの製薬会社GWファーマシューティカルズが開発した医療用大麻にナビキシモルス(商品名サティベックス)と呼ばれる薬剤が存在します。成分としてはΔ9-テトラヒドロカンナビノールが配合されている薬剤で口腔内スプレーとして使用します。

ナビキシモルスは2005年カナダで多発性硬化症に伴う神経因性の疼痛治療への適応を取得して販売されることとなりました。その他にも、2012年オーストラリアで既存の治療法では効果が見られなかった多発性硬化症の中等度から重度のけいれんに対して承認されることになり、現在世界では約30か国がナビキシモルスを使っています。

意外なことですが、日本の製薬会社である大塚製薬はアメリカにおけるナビキシモルスの開発・販売のライセンス契約をしており、GWファーマシューティカルズと医療用大麻の共同研究を視野に入れています。

そのため、日本でも医療用大麻の研究が進む可能性もあります。

参考文献

多発性硬化症(MS)/視神経脊髄炎(NMO)-兵庫県難病相談センター

薬剤とそれぞれの特徴、効果などの対照表-兵庫県難病相談センター

MSとはどんな病気でしょう-国立精神・神経医療研究センター

多発性硬化症の治療-JSTAGE

多発性硬化症の病態治療と治療の進歩-JSTAGE

多発性硬化症-吉良潤一,九州大学大学病院医学研究院神経内科学

Neuroprotection in Experimental Autoimmune Encephalomyelitis and Progressive Multiple Sclerosis by Cannabis-Based Cannabinoids

Cannabis and multiple sclerosis

大麻で多発性硬化症の症状が軽減、米研究-AFP,BBNEWS

痙縮とは-東戸塚記念病院

Nabiximols for multiple sclerosis

英製薬会社、臨床試験結果に自信も「トランプ大統領」に不安-ForbesJAPAN

GW Pharamaceuticals

大塚製薬とGWファーマシューティカルズ カンナビノイド系がん疼痛治療剤「サティベックス(Sativex®)」の米国におけるライセンス契約締結 2月14日

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